Olive少女はそんなにベレー帽被ってない(その1)


森ガール fashion & style BOOK ~おしゃれが好きな乙女に贈る“森ガール”のすべて~

森ガール fashion & style BOOK ~おしゃれが好きな乙女に贈る“森ガール”のすべて~


twitter上の一部でここ最近、森ガール及びオリーブ少女、そしてそれを男性が
語る事について、またその他色々それにまつわる事(オザケン周辺も含む)
で盛り上がっておりますが・・それを冷静に傍観できないこの気持ちをどしたらいいの。
ライターでも有名ブロガーでもなんでもないんだけど、少なくとも、曖昧なイメージと
wikiとか、ネット上で見聞きしたりかき集めた上辺の情報だけでOlive少女や
それに関連して森ガールを語ったり、無理矢理自分の言いたい事に当てはめて
分析してる人達に、「オリーブ少女(かっこわらい)」的に語られるのは、元Olive読み
過ぎてた普通の女性(=私、そしてその他の方々)には我慢ならんのですよ。
Oliveがそこまで優れた雑誌だったかというと、モチ、中学生が読んでもこりゃないだろ
(まあ主に秋元康の勘違いエッセイだけど)という部分もあったけれども。


まず、「オリーブ少女=ベレー帽被ってるフランスかぶれ女子」っていうのがどうにも。
リセエンヌ的な盛り上がりは主に80年代前半の話だと思うし、ベレー帽も載っては
いたけど、「これがオリーブ少女!」と象徴する何かは具体的なアイテムではなかったと
思うのですよ・・時代によって内容も違ってたと思うので、いつできたイメージなんだろう
って不思議で。主に男性が多少の笑いと幻想を込めて「オリーブ少女」という時、
ベレー帽でボーダーでナチュラルな女の子、サブカル好き、オザケン好きなんでしょ?
っていう感じ。当たってる部分もあるけど違う。ざっくりしすぎ・・


森ガールに対して、えっと驚いてしまうのは私もその1人なので否定はしないけれど。
けど、それはあくまで森ガールを自称している人、あのmixiのコミュにあげてある条件
なるものになんのためらいも気恥ずかしさも感じずにそれに乗っかれてしまう事への驚き
であって、森ガールなにそれ、オリーブ少女のが優れてる!と単純に言うつもりは
ないのです。ただOliveはファッションに関して言えば、定番コーディネイトの提案や、
映画の一場面に絡めて、こんな着こなしも素敵、と紹介する事はあっても、決して
愛されモテ服だの一週間着まわしだのこのブランドのこれ持ってないとオリーブ少女じゃ
ないみたいなカタログではなかった。ある時期までは特に。上手く言えないけど、
Oliveっぽいなという雰囲気できちんと統一されていた。
そして今見てもアチャーっていうデザインがほぼない事に、見返す度に驚かされるのだ。
そりゃ中には時代を感じるものもあるけれど。それに比べて広告ページの恥ずかしさ、
古臭さったらないよ・・広告を見ると、ああ、昔の雑誌なんだなって思う。


森ガールを分析する際に単純に、ああオリーブ少女の現在形ねみたいに言う人は、
何を根拠に?と言いたい。ぱっと見で、誤解する人(主に男性)は多いだろうけど、
よくわからないものを、なんとなく知っている範囲で適当に例えるのやめてー。
森ガールの存在を知ったのは2008年の秋で、ちょうど「森」にまつわる雑貨イベントを
開催する際に、宣伝になりそうなコミュを検索していた時に何これ!と思ったのが最初。
その時驚いたのはあの条件の多さ*1と、多いようで実は「ゆるふわ」「ゆるい」という言葉
の繰り返し、そして多いわりに結局どういう事なのか実体がつかめない感じ・・
(それこそまさに「ゆるふわ」なんだけど)
コミュで話されている内容も、特定のブランドの「洋服」や「小物」「アクセ」について、
それがどこで買えるか等という事が多く、とにかくファッションがその中心なんだなと。
Olive読んでた時も、ファッションよりも雑貨や映画の特集に心惹かれていた、おしゃれと
程遠い自分からすると(ベレー帽も恥ずかしくて被れなかった)、なんて自分を飾る事、
そして他人にどう見られたいかという事に熱心なんだろうと驚いてしまう。


雑貨業界(森から遠いような近いような)にいる自分からしたら、雑貨がこんなに売れない
のも仕方ないというのを実感してしまう。お金をかける順番としては、まずファッション、
ヘアメイク美容関係、ずーっと順位が下がって、雑貨やインテリア、ましてや音楽や本や
映画なんかにお金かけたくないし、かける余裕がないという事なんだろうなと。
そしてそれは別に森ガールが特別そうなわけじゃなくて、ギャル系女子も同じだと思う。
時代の違いもあるけれど。


対して、モノにこだわったり、欲しい雑貨を躍起になって探し、それを得る為に通販も
すれば、遠くの店まで足を運ぶのも厭わないのは、主に30代の女性だなとつくづく。
パンにかける情熱=私はそれをパン力(パワー)と呼ぶ・・や有名スタイリスト、
主婦のカリスマ的なモデルなんかと同じものを求めるあの力は、同じ様な表紙デザインの
ナチュラル雑誌の購買層に強くある。森ガールはまだ若いし、皆と同じものを持って安心
したい感じ、憧れのブランドの服がある感じはわからなくもないのだけど、
(若気のいたりな、私は他の人と違うんだって反骨精神はないのか!とも強く思うけど・・)
ナチュラリー系の方々は結構もういい歳なのにちょっとさあ・・とつっかかりたくもなる。
あと、元オリーブ少女がそのままそっくり、ロハスナチュリラ系になってるわけではないと
思うのだよ。ナチュ系雑誌を支えている若い主婦達の多くは、結婚してから雑貨やそういう
インテリア等に目覚めた人が多いと思う。お金に余裕がある一部の女性は、ファッション
以外の雑貨などにも夢中になれるという印象。だからお手本が要るのもわかる。
私も勿論モノに執着する部分がある。雑貨オタクだから。でも雑誌やカリスマなんとか
の身に着けているものや愛用品と同じものを欲しいと思うところは理解しがたい・・
その辺は、Oliveの残した気質かなあと思ったりもするんだけど他の方はどうかしら?


とはいえ、当時一緒にキャッキャとOliveを読んでいた中・高時代の同級生達の中にも、
高校を出る頃にはそんな世界とお別れし、もっと現実的で実用的な方向に分かれていき、
最終的には美恵子さん*2風VERYな主婦になっている人もいるので、
私の様に仕事柄もあるとはいえ、いつまでもOliveの様な世界をひきずっている人は
少ないのかもしれないけど。つか、VERYが世の中的にはきっと正しいのでしょう・・


こっちも勝手なイメージでPOPEYE少年(対するのがそれじゃないと思うけどサ・・)
の事を言わせて貰うならば、オレ流に押入れをDJブースに改造してみたり、
時計じかけのオレンジ2001年宇宙の旅のポスターをとりあえず貼ってみたり、
裏原系に憧れて服を買いに行ったり、ミッドセンチュリーな家具無理して買っちゃったり
みたいな・・って適当な事言われたらいい気分しないですよね・・
POPEYEが男子にとって凄く思い入れがある存在なのかどうか私は知らない。
そしてよく知らないから書かないもの。(POPEYE読者を叩く気も戦う気もないが例として)
キン消しやジャンプや超合金やコロコロ等の男子文化をよくわかってない女子にまとめて
語られたら嫌じゃないかなあ。(ちゃんと語れる女子もいるでしょうけど)
だから男子が女子文化を、Oliveを語るな!とヒステリックに叫ぶ気はないんですけど、
せめてOliveをきちんと読んでいた、好きだった方に語って欲しい。
だって・・のんちゃんジャーナルの素晴らしさを語れます?*3


しかしOlive程、いつまでも熱狂的に愛されている女子雑誌があるだろうか?
mcシスターも懐かしいけど、別に今そんなに読みたい号を思い出せないし・・(ごめん)
なのに、Olive博物館*4のような貴重なところ以外に、ネット上でもあまり資料がない!
かなり何年も前に、まとめという感じで唐突に出たムックもなんだかひどかったし・・。
今Oliveに復活して欲しいとは全く思わないけど、初期からまとめた本ならとても欲しい。
とりあえず、大量のOliveを泣く泣く処分して残した一部ぐらい、振り返るのもアリかなー
と思ったので、何回か手持ちのOliveについて書こうかなと思います。
主に熱心に読んでいた、86〜90年頃の10冊程度が中心になりますが。
結局自分が読んでいた時期が一番イイ!と思ってしまうのは仕方ない事なのでお許しを。
というわけで、元Olive読んでたおばさんの思い出話は、時々続きます。すんません。

*1:で、つい酒ガールを・・http://d.hatena.ne.jp/kotorica/20090908

*2:若乃花の嫁、昔カリスマOlive読者モデル

*3:というか知らなくても当然だし余り詳しくてもね・・

*4:http://www.cookbooks.jp/kf-1/kf-1.html